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家裁の人 

裁判官は何を考え、
どんな生活をしているのか?

家裁の人 4巻 セル版 (4)[ビデオ]

少年犯罪がずいぶん前から社会問題となっている。
ニュースを見ると、少年たちへの怒りがこみ上げてくる。
家裁の現場で、どんなふうに少年が裁かれているのかを知っておくのも悪くはない。

主人公の桑田判事は、最高裁判事を父に持つ毛並みのいい裁判官。
司法試験の上位合格組で、判事としての実務能力も高く評価され、最高裁調査官転任への打診もあったが、これを拒否、家裁での仕事にこだわる。
判事とは独立した存在で、転任を拒否することもできるらしい。上層部といえども、判決に圧力を加えることができないようにするためである。
ただ、同じ場所に長くはいられない。
数年でどこかに異動するため、全国には官舎が用意されている。
桑田は他の家裁への転任は受ける。

「育ててみませんか?」
というのが桑田判事の口癖で、家裁の庭、官舎の庭でいろんな植物を育てている。そして他人にも、育てることをしきりに勧める。散歩も好きで、道を歩きながら季節の移ろいの中、木々や草花の変化を楽しむ。
各話のタイトルにも「ユリ」とか「オランダナデシコ」とか、花の名前がつけられている。

桑田判事は昼行灯のように、ぼーっと花を見つめながら、送致されてきた少年のことを考え続ける。
どういう判決を下すことが少年を育てることになるのかを。
少年を育てることは、もしかすると違憲合憲の審理よりも、国にとって大切なことかもしれない。

「家裁の人」作・毛利甚八 画・魚戸おさむ
1989年~ 小学館ビックコミックオリジナルに連載

こちら大阪社会部 

新聞記者とは何者か?
この漫画がすべて教えてくれた。


こちら大阪社会部(3)

テレビ朝日の「朝まで生テレビ!」などでお馴染みの大谷昭宏氏原作。
大谷氏は若き新聞記者時代、大阪西成の釜ヶ崎(あいりん地区)に連日泊まり込み、風呂にも入らず、日雇いの労務者たちから「讀賣の兄ちゃん臭いで~」とかいわれるほど取材熱心だったらしい。
西成は新米の社会部記者にとってスクープの宝庫だったのかもしれない。

そうした氏自身の体験が随所に活かされた漫画だからリアリティがある。
もっとも印象に残ったのは、社会部記者たちの過酷さ。
先輩記者のひとりは、睡眠を削り、神経をすり減らした挙げ句、ほんとうに胃に穴を開けて早世してしまう。

「警察は仲間意識が強い」「大きな音に一斉に反応する」など、府警の記者クラブ詰体験を通して得られた「業界知識」も面白い。
新聞の社会面に載せる事件の被害者の写真を入手する方法にはちょっと驚いた。近所や親戚、同級生などの所を回って頼み込むこともあるらしい。だから新聞には、学生時代の写真が出ることもあるのだと思った。

新聞記者には、小賢しい理屈よりも、執念、根性、体力こそが大事である。
社旗をはためかせた黒塗りの高級車で現れる記者とは違う、本物のジャーナリストの姿を見たような気がした。

「こちら大阪社会部」全5巻 大谷昭宏作・大島やすいち画
1991-1996年、講談社ミスターマガジン連載
続編に「こちら大阪社会部 阪神大震災篇」「こちら社会部(東京本社篇)」

東京BJ 

なんとも淡泊な画面に、
目だけは鋭い登場人物たち。


東京BJ

柳沢きみお作品といえば、「特命係長・只野仁」が実写化(高橋克典主演・テレビ朝日)されて人気だが、この「東京BJ」の方が渋好みともいえる。

BJとはブラックジャーナリズムのこと。取り屋とか総会屋とか、そのたぐいの商売。
主人公は平凡なサラリーマンだったが、切れやすい性格で、喧嘩だけは強かった。
ぶち切れて会社を辞め、一匹狼のBJの元で見習い修業をするようになる。

師匠は、どちらかというと「与党」の立場になることが多く、企業に対し、うるさくたかってくる同業者たちを排除していく。主人公は、仕事を手伝うなかで、次第にBJとしての本能に目覚めていく。

柳沢きみおの絵は、背景がほとんどなく、全体が淡泊である。
動きも少なく、なんだか紙芝居を見ているような雰囲気がある。
そのくせ、人物の印象は、やたらに強く濃い。
1コマ1コマに奇妙な緊張感が漂っていて、ぐいぐい読ませるのである。
柳沢きみお独特の世界観を、たっぷり味わえる作品といえる。
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