スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

天地を喰らう 

三国志演義を剛胆に歪め、
気合いの入った「男のファンタジー」に仕立てた漫画。




僕は昔、「吉川三国志」を貪るように読んだので、漫画で三国志を読む気はなかった。
ところがこの漫画は、連載の冒頭から奇妙な雰囲気があり、三国志とは全く別物の「男のファンタジー」になっていたので、つい引き込まれてしまったような記憶がある。

この漫画の肝は、呑邪鬼にあると感じた。
一話ぐらいで消える鬼キャラクターだが、印象が深い。
主人公である劉備玄徳が、肝の据わった男になるための重要な役どころでもある。
ちなみに、劉備玄徳の劉が姓で、名は備。玄徳は字(あざな)である。自分で好きにつけていいらしい。
中国人の姓は一字が多いといわれるが、諸葛孔明の場合、諸葛という二字が姓、名は亮、字が孔明である。

で、玄徳と孔明は、数百年に一度、人間の若い男の精を奪いにくる天界の竜王の娘、嵐と麗に遭遇する。嵐と麗が竜の姿となって天に帰るとき、玄徳と孔明もこれに密かに掴まって天界へと行く。
天界にて、逆に嵐と麗の性を奪おうというのである。
二人は、竜王の娘たちの心と体を開かせ、竜王により、何を望むかと問われる。
孔明は知識を望み、森羅万象を記した書のあるという山へ向かう。
玄徳は呑邪鬼の肝を喰らいに行く。
玄徳の求めるものは、何者にも、どんな状況にも動じない太い肝っ玉だった。勇気といってもいいかもしれない。苦難を乗り越え、見事呑邪鬼の肝を喰えば、それが得られると竜王はいうのである。

呑邪鬼とは、漢代から宋代の小説をまとめた「太平廣記」にも出てくる尺郭の別名らしい。
尺郭は、南に棲む身の丈七尺の鬼で、朝に三千匹の悪鬼を喰らうといわれている。
玄徳は、繰り出される恐怖の幻影に耐え、餌として捕らえられていた数千の悪鬼たちの奮起を促し、ついに呑邪鬼の太い肝を喰らう。
喰らうことで、天下をも喰らえる男の肝っ玉を手にいれるのである。

俗に、「男は度胸、女は愛嬌」という。
媚び笑いの愛嬌はあっても、肝心の度胸のない男は多い。
度胸がないと結局は何もなしとげられない。
勇気あるいは度胸こそ、もっとも大切なものだと、ひしひしと思うのである。

「天地を喰らう」 本宮ひろ志 全7巻
1984年~ 集英社「週刊少年ジャンプ」連載
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。