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地獄変(ある地獄絵師の告白) 

いちど取り込まれてしまうとトラウマとなって、
心の中から追い出すことができなくなる絵。


地獄変

芥川龍之介の短篇に「地獄変」というのがある。
これは、良秀という高名な絵師が、我が娘の火に焼かれる姿を描くという凄まじい話。

日野日出志の「地獄変」は、作者自身とその家族の地獄的幻影の世界を描いたかのような作品である。
どこまでが事実で、どこからがフィクションであるかという読み方よりも、すべて作者がみた人間のリアルな情念的世界という捉え方をしたほうがいいように思う。
日野日出志は怖さというのは「娯楽」であると語っている。
恐ろしく濃い「娯楽」があったものだ。

まず、画家である主人公の家族が凄い。というか、狂っている。
妻は霊的世界を彷徨う人で、死霊と酒を酌み交わしたりする。
息子は小動物を平気であやめる。どくどくと流れ出る血をみて狂喜する。
画家の父親は博徒という時代がかった存在で、不気味な蝙蝠の入れ墨を背中にしょっていて、その妻、すなわち画家の母親は精神を病んだ女である。

画家は画布に呪いをかけるかのように、自身の血を塗り込める。
その画題も人間の地獄そのものであり、表現も直截的である。
こういう漫画の魅力は、主人公の絵の「画力」に負うところが大きいが、作中で表現される絵は、極上の恐怖がもつ目をそむけたくなるような妖しい輝きに満ちている。
いちど取り込まれてしまうと、トラウマとなって、心の中から追い出すことができなくなる。

「地獄変~ある地獄絵師の告白~」
日野日出志
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コメント

この漫画は素晴らしいですよ!血の誘惑には勝てないものですね。

恐ろしい嗜好ですね
  • [2007/07/12 06:18]
  • URL |
  • 管理人 野風僧
  • [ 編集 ]
  • TOP ▲

お久です

お久しぶりです。野風僧さん。そうですか、恐ろしい嗜好ですか・・・。同じく日野さんの漫画で、「蔵六の奇病」も興味深い一品です。是非!

あ、蔵六もってましたね。失敬。ほかにどんな日野先生の作品をお持ちですか?良かったら教えてください。

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