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おろち 

人間の業を見つめながら、時を超えて生きる美少女。
「おろち」の正体とは?


おろち 1 (1)

小松左京の短篇に「比丘尼の死」というのがある。
比丘尼は山中に庵をむすび、若く美しいまま千年の時を生き続けているらしい。
通り過ぎるのは、いつの世も闘って傷ついた男たちである。
男たちに体を与え、世話をし続けている。
比丘尼からは、甘い香りが漂ってきそうだ。

楳図かずおの「おろち」の場合、人間の宿業が放つ強い匂いを嗅ぐと現れるようだ。
「おろち」は物語の語り手であり観察者であるが、ときに事件に介入する。
人の心を読み、癒しの力をもって、どうにもならない人間の性(さが)と関わり導く。

ひとり地獄に堕ちることに耐えきれず、姉の顔を焼いた妹の話。戦時に人肉を食った「罪」が息子に知れ山へ行く男の話など、ストーリーに容赦はなく、人間がぎりぎりまで追い込まれて行く。

観察者「おろち」は、おそらく作者・楳図かずおの化身である。
時を超えて生きる美少女になって、人間を存分に見つめ続けたいというのが、作者の奥底に秘められた願望なのかもしれない。
楳図かずおには、怖がる女の子、虐められる女性に自身を重ねて感じているかのような作品が多い。女性化願望の作品への昇華としての「おろち」は、やはり美少女でなければならなかったのかもしれない。

「おろち」楳図かずお 
「週刊少年サンデー」1969年~1970年連載
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