スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

巨人の星 

男がいったん言わんと決めたら、
口が裂けても言わん。





業田良家の「自虐の詩」が映画化され、例のちゃぶ台をひっくり返すシーンに注目が集まっているが、気に入らないことがあるとすぐにちゃぶ台をぶちまける男の元祖は、やはり星飛雄馬の父一徹だろう。

「男がいったん言わんと決めたら、口が裂けても言わん」

一徹は劇画「巨人の星」作中で数々の名せりふを吐いた。
そのなかで僕がもっとも気に入ったのがこれである。
この哲学的せりふには何の論理性もない。
状況が変われば、ふつうは何事かをしゃべってもいいはずである。
そのほうが周囲のためにもなるし、人間関係がうまくいく場合だってある。

だが、理屈無き頑固さこそ、一徹オヤジの骨子である。
武士に二言はない、ということだろうが、果たして一徹は武士なのかという問題もある。
一徹は日雇いの労働者であり、どこにも仕官していない。
家族に貧乏を強いなければなければならない。威張っている場合でもないのである。
なるほど物語が進むなかで、中日ドラゴンズのコーチに就任したりするが、人生の大半を肉体労働者として過ごす。武士であるなら浪人者というところだろう。

しかし、一徹は息子飛雄馬に「野球人としての血」を命懸けで伝えようとする。
子孫を残し、血統を繋ぐことこそ武士の本懐であるならば、一徹は紛れもない武士なのである。
貧乏だが、オヤジは強く、ストイックで、どこか温かいのである。

あなたは息子に何かを与えたか?
あなたはオヤジから何かを与えられたか?
この漫画はそう問うているような気もする。


「巨人の星」 梶原一騎原作 川崎のぼる画
1966年-1971年 講談社「週刊少年マガジン」連載
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。