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オールドボーイ ルーズ戦記 

この社会には、人間を監禁するビジネスがあるという。
ある日突如、理由もわからず10年も監禁された男の話。


オールドボーイ―ルーズ戦記 (1)

誰かの依頼を受けて、人間を監禁するビジネスが存在するとしたら恐ろしい。

別れた恋人、憎い上司、商売敵……。
いくら恨みを抱いたからと言って、殺すわけにはいかない。
だからその人間の人生の貴重な時間を奪う。
たとえば10年ほどの時間を奪われた人間はオールドボーイ、もしくはオールドガールとなって社会へ戻ってくるしかない。
その後の人生がどうなろうと知ったことではない。

男は、ある日突如、監禁された。
場所は都内某ビルの7.5階。設計図には存在しない私設刑務所のような空間。
そこへは、エレベーターの7階と8階のボタンを同時に押すことによってしか行けない。
テレビとベッドだけのある部屋、めしは一日二回の中華屋の出前。
男はこの部屋で、体だけを鍛えながら10年を過ごした。

釈放され、街に放り出された男は、10年間食い続けた中華屋の味の記憶を頼りに、まず自分が監禁されていたビルを探す。
やがて男の前に、自分を監禁するよう依頼した人間が現れる。
その不気味な人間は、「なぜおまえが監禁されたのか、その理由を自分で探せ」という。
「おまえがその理由を見つけることができたら、俺は死ぬ」と男に言った。

「オールドボーイ―ルーズ戦記」 土屋ガロン(狩撫麻礼)・作/嶺岸信明・画
1996年-1998年 双葉社「漫画アクション」連載。
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「気分は形而上 うああ」 

女という信じられない生き物の実在を、
形而上学的に考察する。
というよりも、4コマ目で「うああ」と叫ぶ。


気分は形而上 うああ 全19巻 須賀原洋行/作

アリストテレスが「自然学」に続くものとして遺した、「第一哲学」という講義ノートから始まるとされる「形而上学」。
現象の背後にある本質を考えて行こうとする学問らしい。
研究の対象は神、時間、霊魂などといったややこしいものが多い。
存在そのものを問う。
反対に形而下の学問(物理、化学などの自然学)は、万有引力がなぜ存在するのか、時間は実在するのか、などは問わない。初めからあるという前提のもとに出発し、現象を解明していく。

漫画の題名は「気分は形而上」なので、形而下学では捉えられないような不可解ともいえる事象がテーマである。
観察者は「うわわ」と驚愕し、「ゴキちゃん」「けつちゃん」などの不潔で不条理なキャラクターが画面の空気を歪めながら4コマ目で落ちる。

で、作者にとっては結局、人間が一番不可解なものらしい。
コピー機を愛する男とか、驚異的なハンコ押しのスピードで社長を降格させるOLなど、現代のオフィスに実在する、信じられない、奇妙な人間たちの姿が描かれる。

「このOLは実在する」
「このニョーボは実在する」

さらに観察すべき対象は「女」そのものである。
機械音痴、方向音痴、味覚音痴、無謀運転、自分勝手、視野狭窄という女の背後に実在するかのような性。
女こそ、もっとも理解不能な生き物ということかもしれないが、単に自分の嫁が理解できないといった感じでもある。

「気分は形而上 うああ」須賀原洋行
講談社「週刊モーニング」1985年より連載

がきデカ(こまわり君) 

むぺっと、八丈島のきょん……。
これが形而上ギャグのはじまりだったのかもしれない。


がきデカ 1 (1)

これほど、わけのわからない漫画もない。
「がきデカ」以降、漫画におけるギャグは、なんでもありの世界に突入したように思う。
そしてギャグ漫画はいまも、凄まじいスピードで進化し続けている。

主人公の「こまわり君」は少年警察官という設定で、いつも警帽をかぶっている。
「がきデカ」というタイトルもこの設定からうまれたのだろう。だが、この漫画をさすとき、タイトルは結構忘れられ「こまわり君」と呼ぶ人が多かったように思う。
2頭身ぐらいの「こまわり君」の頭の上に、さらに大きな警帽がのることで、顔のでかさが強調され、いっそう不格好な雰囲気が出ている。

どの話も、どうというストーリーはなく、日常の生活や行事の中で、こまわり君が強烈なボケをかまし、周囲がツッこみ、最後は滅茶苦茶になるという単純なもの。
こまわり君は意地汚く、自分本位で、いかにも憎たらしい小学生というキャラを追求し続ける。そうした性格がベースにあるため、ギャグそのものの不条理さが、さらに際だつといった感じ。

作者の山上たつひこは、山上龍彦名義で小説も書いている。
奈落<集英社文ホラー・アンソロジー>所収の「梢のそよぐ下」を読んだことがある。日常の中に黒い服を着た三人の女たちが見え隠れする、不気味なホラー短篇だった。
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